SNS映えする神秘的な光景にうっとり! 関東最大級のスケールを誇る奥多摩・日原鍾乳洞

▲日原鍾乳洞の「死出の山」

こんにちは! ジブリマニアのライターMAKIJIです。みなさんは東京という場所に、どんなイメージを持っているでしょうか?「数分ごとにやってくる電車があるから、どこへ出かけるにも困ることはない」「自転車があればクルマなんか持たなくてもいい」「5分歩けば必ずコンビニがある」などなど、大都会のイメージを抱く人が多いでしょう。

しかし東京の奥座敷と言われる奥多摩には、知る人ぞ知る見どころがたくさんあります。

ちなみにジブリマニアの私は『千と千尋の神隠し』が大好きで、「この映画が惹きつける魅力は何だろう?」と自然の中に身を置きながら妄想にふけるのが趣味。これまで映画を彷彿とさせるような大自然をたくさん巡ってきました。今回はジブリマニアの私が「ここは本当に東京なのか?」と驚くほどの、自然豊かで魅力満載な奥多摩の穴場スポット・日原鍾乳洞を紹介しましょう。

日原鍾乳洞を訪れる際に必要な装備

  • 雨具……雨の日や雨が降った翌日は、鍾乳洞内に大量の水滴が垂れていることが多いため、カッパ等の雨具を準備しておくと便利です。
  • 羽織りもの……奥多摩町は避暑地としても知られており、鍾乳洞内は年間の平均気温も11度と一定しています。夏も大変涼しいので、風邪をひかないように羽織りものを準備しておくと良いでしょう。
  • 靴と鞄……鍾乳洞内は濡れており、滑りやすくなっているため、両手の空くリュック、登山靴やスニーカーで訪れましょう。ヒールのある靴は危ないのでやめましょう。  

▲奥多摩駅

旅の起点は、新宿から電車で1時間40分ほど、都心からクルマに乗っても1時間30分ほどで着いてしまう、豊かな自然が広がる奥多摩駅前。ここから奥多摩町のなかを、更に西の山奥へ向かって進んでいきます。

インディ・ジョーンズのように日原鍾乳洞の地下世界へ潜入

▲日原鍾乳洞の入り口

東京都西多摩郡奥多摩町にある「日原鍾乳洞」は、関東最大級の鍾乳洞で、東京とは思えない非日常感を味わえる人気スポットです。

奥多摩駅前を通り抜けると、まもなく民家は疎らになります。大自然の猛威を受けやすい地域のため、大雨などの悪天候時は通行止めになることもあるようです。

ちなみに目的地の日原鍾乳洞に辿り着くためには、対向車とすれ違いできないほど狭い日原街道を、20分以上も通らなければなりません。クルマはめったに走っていないものの、長いトンネルを抜けて更に道が狭くなるため、運転には十分注意しましょう。

滝音が響く日原渓谷の河原に降りてゆくと……滝のそばに入口があり、いよいよ神秘的な鍾乳洞の世界へ潜入します。

冒頭でも話しましたが、『千と千尋の神隠し』が人を惹きつける魅力のなかに、「死の世界」を連想させるような独特の色使いで描かれた背景があります。「日原鍾乳洞」には、『千と千尋の神隠し』の「天国や地獄」「八百万の神々」が想像できるように名付けられた、鍾乳石の世界が広がっています。日原鍾乳洞のなかで、ジブリの世界観を感じることができるのか?大自然のなかにある「色」に注目して、『千と千尋の神隠し』に描かれている背景を思い出しながら妄想にふけりたいと思います。

日原鍾乳洞は、年間を通して気温が約11℃に保たれていると言われています。

思った以上に涼しく感じるうえ、頭上から水滴が落ちてきます。そもそも鍾乳洞とは地下を流れる水によって石灰岩が浸食されてできた洞窟のこと。洞窟に何段も残るくぼみはノッチと呼ばれており、水流があった証とされています。

洞内マップで確認しながら地下ハイキング

洞内は照明があるため歩行にさほど困ることはありませんが、足元が滑りやすく狭い空間の中では、想像以上に思考力と行動力が制限されてしまいますので注意しましょう。洞窟内は8の字を描くような通路が張り巡らされ、大きく分けて旧洞と新洞に30カ所以上の見どころが点在しているようです。

▲旧洞の前半エリア

受付でもらった洞内マップを見ながら進みましょう。まず、最初の分岐点にある「香炉岩」から、「鳩胸、蓮華岩、格天井」と奇岩を観ることができます。通路の途中に、「新洞おり口」の案内板がありますが、人のすれ違いも困難な狭い通路のため、一方通行が促されていますので注意しましょう。

 

▲旧洞と新洞の分岐点

入口からゆっくり10分ほど進んだ場所に、旧洞(左)と新洞(右)の分岐点が出現。旧洞は緩やかな下りのスロープ、新洞は急な登り階段になっています。まずは、体力を温存しながら旧洞へ進みましょう。

日原鍾乳洞ではあの弘法大師も修行していた!

▲分岐点周辺

「船底岩、天井知れず」の奇岩を過ぎると、地獄谷の案内板そばには2又の上下に分かれた通路があり、地獄谷へ降りない上の通路は「水琴窟、弘法大師学問所」へと続きます。

その昔、日原鍾乳洞は信仰の対象だったこともあり、弘法大師が修行に使ったとも言われ、信仰の名残を思わせる「弘法大師学問所」と呼ばれる空間があります。

こちらの水琴窟は、水を張った瓶に滴り落ちる水音が奏でる、透明感のある音の世界を感じられます。「ピキ~ン、ピキ~ン」という、甲高く響く音色が聴こえるでしょうか?立ち止まって、少しだけ幽玄の響きに耳を傾けてみませんか?

地獄谷の通路から階段を降りていくと、「三途の川」という案内板があります。

案内板に向かって進むと左側には、照明に照らされた空間があり、岩と岩の隙間を通り抜けることができます。「三途の川」を超えた先で観たモノは……。

地下ハイキングでSNS映えな光景に遭遇! 圧倒される「死出の山」という空間とは?

日原鍾乳洞で一番奥にあり広い空間の「死出の山」は、入口から20分ほどで辿り着きます。ネット上ではSNS映えするスポットとして、人気を集めた場所です。

一定間隔で色が変わるように、ライトアップされていて神秘的かつ幻想的な空間です。

さっそく「死出の山」にある階段を登ってみます。ネット上でもあまり見かけないライティングの色が変化する幻想的な「死出の山」の様子を映像でご覧ください。

階段を登った先で最初に目に留まるのは、「縁結び観音」です。石積みに囲まれるように鎮座する観音様のご利益を求めて、熱心にお参りする人が後を絶ちません。

「死出の山」の上には、「さいの河原、十三仏の掛軸」、階段を降りた暗がりの中には「阿弥陀の原、ガマ岩」、更に下へ延びる階段を降りた場所には、「十二薬師」という見どころがあります。「十二薬師」が祀られた岩肌を観てみると、キラキラしたモノが目に留まりました。「何だろう?」と薄暗い空間で目を凝らしてみると……、濡れた岩肌にお賽銭の1円玉が張り付いています。

「死出の山」から先は、行き止まりになっているので、旧洞と新洞の分岐点まで、5分ほど戻りましょう。

インディ・ジョーンズ気分で洞窟オリエンテーション

日原鍾乳洞の新洞は、まるでインディ・ジョーンズの映画のよう。洞窟の中を縦横無尽に通路が張りめぐらされていて、進む先に何が待ち構えているのか……ワクワクします。

新洞は1962年(昭和37)に手つかずのまま発見されました。新洞の入り口は、東海大学学生探検隊にちなみ、当時の東海大学学長・松前重義先生の名前から「松前口」と名付けられました。「関守地蔵、世紀の断層」などの見どころから始まり、「精進坂」と名付けられた急階段へと続きます。

日原鍾乳洞の最上部に近い場所では、金網に囲まれた通路の上下左右に鍾乳石を観ることができます。「大天井、村雨の間、無妙の橋、白滝、竜王の間、獅子岩、御伽の間、金剛杖、白衣観音」など、見えにくい場所にも光りが当てられているので、金網越しに石筍と石柱の発達を見比べることができるようになっています。

人間の目は不思議な機能を持っていて、自分の知っているモノに段々と見えてしまうものなんですね。

金網の通路が終わると一変して、下り階段が始まります。「白妙峡」は目の高さで間近に観ることができるので、下り傾斜・下り階段のほうが、鍾乳洞のダイナミックさを感じることができますね。

下り階段の途中には、「積雲峡、雨降岩」などの見どころがありますが、階段の傾斜がきついので観るのが少し難しいスポット。どちらかと言えば、勝手に視界に入ってくるという表現のほうが正確なのかもしれません。

けっこう長い階段を降りているのですが、どこまで降りればよいのか?先が見えません。

何はともあれ、無事に新洞の出口へ辿り着くことができました。

インディ・ジョーンズの探検を思い出すような、あまりの面白さにあっという間に2時間が経ち、時間が過ぎるのを忘れていました。

「日原鍾乳洞」にある鍾乳石の数々を観ているうちに、天国なのか?地獄なのか?「八百万の神々」さえ想像してしまいます。暗闇で見えにくくなっている鍾乳石を、色とりどりにライトアップしている空間は、『千と千尋の神隠し』に描かれている背景に共通するものを感じました。

映画『千と千尋の神隠し』では華やかな油屋で温泉や料理で癒されている神々に対し、相反するように外の世界とのギャップが描かれており、これが「地獄めぐり」や「死の世界」を感じさせているように思います。千尋家族が新しい家に向かっている際、住宅地に隣接している森の中で道に迷い、クルマが小さな川を跨ぐシーンがあります。さらに赤い楼門から豚丁横丁通りに向かっている際にも、干上がった川のような場所を歩いて超えていくシーンがあり、三途の川を渡り「死の世界」への入り口を想像させる伏線になっていると言えます。

ジブリファンなら1度は耳にしたかもしれないウワサ話で、『となりのトトロ』はサツキとメイの「地獄巡り」を描いた、“幻の原作”をベースにしているというものがあります。そもそも『となりのトトロ』には原作の存在はありませんが、宮崎駿監督がストーリーのイメージづくりのために参考にした小説などはあったと思います。

悪いイメージのトトロ

「死の世界」を想像させるシーンが散りばめられていたこともあり、『千と千尋の神隠し』に漂う雰囲気に関連性を感じた人も多かったのではないでしょうか?『となりのトトロ』で描かれていた「真っ黒クロスケ」が、『千と千尋の神隠し』では「ススワタリ」として描かれていたこともあり、続編のように感じた人も少なくないでしょう。意図的に影を省略するような前代未聞の描写や、「背景だけで時間経過を表現する」試みは史上初のもので、描写に特化したアニメとして想像以上のインパクトを与えたと言えます。

異世界にいるかのような雰囲気のある日原鍾乳洞のなかで、天国や地獄にまつわる名称が付いた数々の鍾乳石を巡っているうちに、「地獄めぐり」や「死の世界」をついつい感じてしまいました。ジブリの世界観が好きな人にとって日原鍾乳洞は「ある種の怖さ」と潜在意識を刺激する「心地良さ」を与えてくれるのかもしれません。

海原電鉄が走っていた海のように観えた場所が奥多摩湖だったとしたら……

日原鍾乳洞を後にして、奥多摩駅前まで戻っている間に、あることが頭のなかをよぎりました。せっかくなくで、東京の水源の約20%を占めている、奥多摩湖まで足を伸ばすことにして、ジブリマニアの妄想に少しだけお付き合いください。

「海原電鉄が走っていた場所が奥多摩湖だったら……」なんて、何を言い出すのかと思われるかもしれませんが、『千と千尋の神隠し』のなかで描かれていた海原電鉄を覚えているでしょうか?現実的にはあり得ない設定のように思えますが、海のような場所で水しぶきを上げながら走っていた電車です。

もしも、海のように観える場所が湖だとしても、ジブリの世界観を考えれば不思議ではないのかもしれません。ちょっとマニアックすぎる発想ですが、今は廃線になっている路線が海原電鉄のモデルかもしれないという説だって、あってもよいような気がします。そんな視点で観る奥多摩湖は、魅力たっぷりの場所と言えます。

奥多摩湖の水の上を歩いて渡ることができる「麦山浮橋(ドラム缶橋)」は、風の影響で橋のカタチがクネクネと変わってしまう、無料のアクティブティです。

『千と千尋の神隠し』では、銭婆の家に向かうために海原電鉄に乗ることになります。駅までタライ船で千尋を見送る「リン」の目線からは、水面の下にある海原電鉄の線路は観えず、キラキラと輝く水面の美しさが幻想的に描かれ水面を歩いているように観えていました。奥多摩湖のドラム缶橋を歩いていると、何とも言えない不安定さを感じてしまうのは、ストーリーのなかで未経験のものへチャレンジしている、千尋の気持ちに共通しているのかも知れませんね。

ジブリの世界にいるかのような錯覚を起こす! 美しいエメラルド色の湖とは?

▲エメラルド色に染まる白丸湖

穴場スポットが多い奥多摩湖を後にして、一挙に多摩川を下流に進みます。またも『千と千尋の神隠し』のネタになりますが、海原電鉄が走っている場所がエメラルド色に染まっていることをご存知でしょうか? 奥多摩にある知る人ぞ知る絶景スポットは、遊歩道の樹々の間から観える幻想的なエメラルド色の白丸湖です。

湖畔に降りることができたので、水面に近い高さからご覧ください。

東京の隠れた秘境と言われる奥多摩で、『千と千尋の神隠し』に描かれている背景のような場所を巡りました。たくさんの深い谷が複合した険しい地形のため、陽射しが届かない場所もあり、刻々と変わる風景を観ることができるでしょう。同じ場所を訪ねたとしても、観るたびに印象が変わってしまうかもしれませんが、それも大自然の醍醐味ではないでしょうか。

■日原鍾乳洞

〒198-0211 東京都西多摩郡奥多摩町日原1052
営業時間:(4/1~11/30)8:00~17:00(12/1~3/31)8:30~16:30
入場料金:一般大人(高校生含む)700円、中人(中学生)500円、小人(小学生)400円
TEL:0428-83-8491
HP:http://www.nippara.com/nippara/syounyuudou/syounyuudou.html
<最寄駅>
JR青梅線「奥多摩」駅下車。奥多摩駅から出ている日原方面行の西東京バスに乗車、約35分で到着します。(約10km)
平日:「鍾乳洞」行のバスに乗車、「日原鍾乳洞」で下車(乗車時間約30分/料金500円)→徒歩5分
土日祝:休日は鍾乳洞まで行くバスがなく「東日原」駅止まり。「東日原」駅下車(乗車時間約24分/料金460円)→徒歩30分
※特に土日は東日原で下車してから30分「日原街道」という山道を歩きます。車も通る舗装された道ではありますが、歩きやすい靴などの準備を忘れずに!
<マップ>
https://goo.gl/maps/XRXUjWqrVRp

■ 奥多摩湖(小河内ダム) 「奥多摩 水と緑のふれあい館」

〒198-0223東京都西多摩郡奥多摩町原5
営業時間:9:30~17:00
TEL:0428-86-2731
HP:https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kouhou/pr/okutama/
<最寄駅>
JR青梅線奥多摩駅前から「奥多摩湖」「鴨沢西」「丹波」「小菅の湯」「峰谷」「留浦」行きのいずれかのバスに乗車約20分奥多摩湖バス停下車すぐ。
<マップ>
https://goo.gl/maps/34JA1GAUFCA2

■ 麦山浮橋(ドラム缶橋)

〒198-0225 東京都西多摩郡奥多摩町川野
営業時間:常時開放
HP:https://www.okutama.gr.jp/site/sightseeing/?catid=2&blogid=2
<最寄駅>
JR青梅線奥多摩駅前から、西東京バス「留浦」行きに乗車、「小河内神社バス停」で下車。駐車場はありません。
西東京バス株式会社HP(奥多摩乗り場・時刻表)
http://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/noriba/okutama.html
<マップ>
https://goo.gl/maps/6FKbBace1762

■ 白丸湖・数馬峡

〒198-0107 東京都西多摩郡奥多摩町白丸361
営業時間:常時開放
<最寄駅>
JR青梅線白丸駅から徒歩10分、数馬峡橋。白丸町営無料駐車場が近くにあります。
<マップ>
https://goo.gl/maps/nwJDygYXJtR2

 

MAKIJI(石塚貞幸):プロフィール

マニアックな旅行ライター。ジブリアニメが好きすぎて、トトロの森のある街で「観光コンシェルジュ」として活動中。見逃しがちでマニアックなスポットや、都市伝説のある場所を彷徨い、妄想しながら「ひとりっぷ」している。特技……、見知らぬ土地でも知らない人から気軽に声をかけられることかな。

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