“織姫”というロマンチックな名前の付く「足利織姫神社」で縁結び祈願
こんにちは! ジブリマニアのライターMAKIJIです。いつものようなジブリネタから離れますが、皆さんは織姫というロマンチックな名前の付く、縁結び神社の「足利織姫神社」をご存知でしょうか? 縁結びのご利益があると言われる「足利織姫神社」は、織姫伝説が残る栃木県の織物産地・足利にあります。
「足利織姫神社」には、一般的に知られている織姫と彦星の話とは別の七夕伝説があるそう。機神山(現在の織姫山)の標高118mにある境内の中腹辺りは「月見ヶ丘」という名がつけられており、この地名からもロマンチックさが窺えますよね。今回は七夕伝説になぞらえて「足利織姫神社」を巡ってみました。
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目次
映画『ちはやふる』のロケにも使われた! 願いを叶える229段の石段とは?
一の鳥居(男坂)をくぐり、229段ある石段を昇り参拝すると願いが叶うという言い伝えのある、足利織姫神社。229段の石段は、映画『ちはやふる』でロケ地になった場所です。
広瀬すずが、部活の石段トレーニングで、駆け上がっていたことで有名になりました。
拝殿に向かうには、男坂と女坂の2つの参道があります。ちなみに、参道が近い2つの石段・坂道・山道がある場合には、より急峻なほうを「男坂」、緩やかなほうを「女坂」と名づけることが多いようです。
石段は傾斜がキツく辛いかもしれませんが、願いが叶うと言い伝えられている「男坂」から参拝しましょう。険しい坂道を登るのが厳しい方は、比較的ゆるやかで七色の鳥居をくぐりながらご縁の願いを込める、「えんむすび坂・女坂」から参拝する方法もあります。
朱塗りのお宮が映えて美しい「足利織姫神社」
これまで本殿の塗装は、赤みが強かったのですが、2017年に20年ぶりの化粧直しが行われ、本来の朱色に戻り、色のコントラストがとても綺麗になりました。ちなみに、京都の宇治にある「平等院鳳凰堂」をモデルにして建造された、「足利織姫神社」は“陸の竜宮城”とも称されています。
御祭神は、太古の昔より機織(はたおり)を司る天御鉾命(あめのみほこのみこと)、天八千々姫命(あめのやちぢひめのみこと)の二柱の神様です。機織に関係する機神(はたがみ)様として、信仰を集めた機神山に、足利織物の守り神として合祀された二柱の御祭神が祀られているのは、自然なことなのかもしれません。
「足利織姫神社」は機織にちなみ、たて糸よこ糸が良き縁を結ぶとされる縁結び神社。神鏡の輪郭に、足利氏の家紋である「丸に二」の二を縦に配して、織物の糸を組み合わせたのが織姫神社のご神紋になります。
天八千々姫命という女性の神様が祀られているだけに、カップルで訪れると焼きもちを焼くことで知られている足利織姫神社。しかしこれは、「2人が良い縁では無い」と判断した時だけ、別れさせるらしいんです。
また、機織を司る天御鉾命と、織女(しょくじょ)である天八千々姫命の二柱の神様は、全産業の神様と言われています。
二柱の神様が祀られている足利織姫神社には、一般的にご利益と言われるご神徳も7つ存在。足利織姫神社は「人・健康・智恵・人生・学業・仕事・商い」に特化して、ご縁を結ぶ「縁結び」の神様として親しまれています。
豆知識のような話になりますが、七夕と言えば「天の川」、夜と星のイメージがあり、吹き流しには「魔除け」の意味があります。一般的に吹き流しの使われている色は、古代中国の「五行説」に基づいて、「木=青(緑)、火=赤、土=黄、金=白、水=黒(紫)」を意味しています。
青は、こと座のアルファ星、織姫の星
赤は、さそり座のアンタレス星
黄は、わし座のアルファ星、彦星の星
白は、天の川の色
黒は、夜空の色
5つの色は、夜空を表していると言われています。
ところが足利織姫神社では、7つのご神徳との縁結びの願いを込めて、七夕の夜に舞う吹き流しに、7色使われていることに注目すべきかもしれません。いかにも知る人ぞ知る、七夕伝説が残る神社に相応しい色使いではないでしょうか。
足利織姫神社に伝わる「もうひとつの七夕伝説」とは?
織姫というと、織姫と彦星が出会う七夕を思い浮かべる人が多いでしょう。年に1度だけしか会えない「織姫と彦星」の日ということで、「ロマンチックな日=恋人たちの日」という認識ではないでしょうか。実は七夕は日本だけの行事だと思われがちですが、発祥は中国で、他の国でも七夕行事が行われているんです。
足利織姫神社には、知る人ぞ知る「もうひとつの七夕伝説」が伝わっています。縁結びの神社と言われる由縁にもある、「7つのご縁」を知るために、女坂にある7色の鳥居を巡ってみましょう。
「7つのご縁」にちなんだ7色の鳥居は、一の鳥居に向かって左に進んだ「えんむすび坂(女坂)」にあります。
足利織姫神社に伝わる「もうひとつの七夕伝説」とは……。
むかし、都(京都)よりはるかに遠い下野の国・足利に、美しい娘が住んでいました。ある日、娘が機(はた)を織るために糸をつむいでいると、都より若い織師が訪ねてきました。織師は、その娘に都で流行っていた機織りを毎日熱心に教えました。
娘は、織師と一緒に機を織ることが楽しく、朝から晩まで一生懸命に機を織り、布を渡良瀬川の澄んだ流れにさらすと、川一面に花が咲いたような美しさだったようです。年月か過ぎたある日、都より迎えの使者がきて織師は、都へ帰らなければならなくなりました。
ある日、渡良瀬川のほとりに佇んでいると、白いヒゲの老人が通りかかり、娘に「一生懸命に機を織った布を神様に捧げればかならず願いごとが叶う」と聞かされました。娘は、都に帰ってしまった織師に「逢いたい」と願いながら一心に機を織りました。
様子を見ていた神様は、「1年に1度・七夕の夜に逢える」ように娘の願いを叶えてくれました。七夕の夜には、渡良瀬川が天の川となって都まで広がり、織師は星の船にのって娘に逢いにきました。そのとき、織師が纏っていた布は、娘が神様に捧げた布だったそうです。
娘は、いつしか織姫と呼ばれるようになり、都を望む魚住山の中腹に織姫神社が建立されました。娘は織姫こと、天八千々姫命(あめのやちちひめのみこと)、織師は彦星こと、天御鉾命(あめのみほこのみこと)になり、「織物のまち・足利」の守り神として、「足利織姫神社」に祀られることになりました。
とてもロマンチックな「もうひとつの七夕伝説」の残る足利織姫神社では、「えんむすび坂(女坂)」を巡って、「ご神徳と縁結び」を祈願できます。鳥居の7つの色と、境内にある吹き流しの7つの色は、ご神徳を表したものです。
1.よき人と縁結び(赤色)
2.よき健康と縁結び(黄色)
3.よき智恵と縁結び(緑色)
4.よき人生と縁結び(青色)
5.よき学業と縁結び(若草色)
6.よき仕事と縁結び(朱色)
7.よき経営と縁結び(紫色)
こちら是非参考にして、縁結び祈願をしてみてくださいね。
境内の楽しみ方法「隠れハート探し」
足利織姫神社は、寺社仏閣ではよくありがちな、鬱蒼とした樹木に囲まれた境内という雰囲気ではなく、織姫山の南斜面にあるため、陽射しが注ぐ明るい神社です。
足利織姫神社は、夜景スポットやデートスポットとしても人気が高く、縁結びの神様として「恋人の聖地」に認定されました。
境内にはカップルで鐘を鳴らすと幸せになれると言われる「愛の鐘」も設置されています。ちなみに鐘を鳴らしたい場合は、「社務所に声を掛けたうえで鳴らして欲しい」とのことでした。
社務所の中央には、キラキラと輝く祭器を見ることができます。よく見ると、織姫の姿が描かれているようにも見えます。
更に時間に余裕があれば、境内で「隠れハート」探しをお勧めします。手水舎・灯篭・社殿などアチコチに点在しています。すべて見つけることができれば、幸せを引き寄せることができるかもしれませんよ。
境内の楽しみ方法「紅葉狩りの穴場」
「足利織姫神社」は織姫公園のなかにあり、標高60mから160mの低い山岳地帯に位置します。さくら、もみじ、つつじ等の花木が植えられ、整備された散策路もあるので、四季を通じて楽しむことができます。
織姫公園のもみじ谷は、足利県立自然公園ハイキングコースのスタート地点にもなっています。標高118mの山頂には、前方後方墳の機神山山頂古墳(はたがみやまさんちょうこふん)を見ることもできます。
特にお勧めは秋の紅葉。「もみじ山」という案内板に従って進んだ先に、「もみじが見たけりゃココ!」ってくらいに、圧巻の風景が広がっています。
紅葉狩りシーズンには、もみじ谷が赤く染まり、赤・緑・黄色のパッチワークのような景色が広がります。参拝と合わせて楽しんでみてください。
境内の楽しみ方法「ライトアップ」
「足利織姫神社」は、恋人の聖地ということもあり、夜景を楽しめるスポットとして、日本夜景遺産に認定されています。
通常神社といえば、夜になってから訪れることのない神域。そんな神域を照らすライトアップは、荘厳な神殿がより神々しく感じられとても綺麗です。ちなみにライトアップ時間は、日没から24時までとなっています。(季節によって変更することがあります)
「足利織姫神社」のライトアップを見ながら、色々な七夕伝説を思い出し、2人の距離をグッと近づけてみましょう。境内から見下ろす夜景もすごく素敵です。
ロマンチックな名前のつく「足利織姫神社」。目に映るライトアップや180度の大パノラマ夜景は、昼間よりも荘厳な雰囲気が感じられるかもしれませんよ。
足利織姫神社
住所:栃木県足利市西宮町3889
・TEL:0284-22-0313
問い合わせは平日のみ(足利織姫神社奉賛会事務所:社務所の電話ではありません)
・参拝時間:24時間いつでも参拝できます。
・公式HP:https://www.orihimejinjya.com/
・最寄駅:JR両毛線「足利駅」より徒歩30分、東武伊勢崎線「足利市」駅より徒歩30分。
・クルマ:北関東自動車道 足利ICより約10分。太田桐生ICより約15分。東北自動車道 佐野ICより約30分。
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