愛着スタイル「不安型（とらわれ型）」は恋愛に依存しがち。対処法は？

愛着スタイル不安型（とらわれ型）は、恋愛に対して強い執着心と依存心を持っているところがあります。
不安型（とらわれ型）の特徴や恋愛について詳しく見ていきましょう。

愛着スタイル不安型（とらわれ型）の特徴

不安型（とらわれ型）は、人と接する際に何となく不安を感じてしまい、ネガティブな感情にとらわれてしまう特徴を持っています。
それは子どものころに、一貫性がなく精神的に不安定な状態で育てられたことが原因となっているでしょう。

自己肯定感が低い

自己肯定感が低いため、いつも自信がなく自己評価もかなり低めです。自分の意思を主張することはなく、相手に合わせることが多いでしょう。
自分に対する愛情を素直に受け取ることができず、自分には価値がないと思い込み、相手に尽くすことで自分の価値を高めようとするところがあります。

人との距離感が分からない

関係を深めれば深めるほど距離感が分からなくなり、どんどん不安が大きくなってしまう可能性があります。
自分は本当に愛されているのか、相手の愛情をことあるごとに確認しないと不安で不安で仕方なくなってしまうのです。
自分に対する接し方にとても敏感で、少しでもいつもと違う言動の時には「もしかして自分のことをもう好きではないのでは」と不安に襲われてしまうでしょう。

束縛してしまう

ネガティブな感情が湧き上がってくると居ても立っても居られず、相手に執拗に連絡をしてしまうこともあります。
いつか自分のもとを離れていってしまうのではないかという気持ちから、束縛や監視をしてしまいがちです。

愛情を疑ってしまう

相手のことを信頼したい気持ちはあるものの、「裏切られるのではないか」という不安を常に抱えており、相手のことを詮索してしまうこともあるでしょう。
どんなに愛情を伝えられても疑心暗鬼に陥ってしまい、自ら関係を悪くしてしまうことも少なくありません。

 

愛着スタイル不安型（とらわれ型）になった背景

不安型（とらわれ型）になった背景には、小さいころにどのように育てられてきたかが大きく関わっています。
同じことをしても怒られる時と怒られない時があったり、機嫌の良い時にはスキンシップをしてくれるのに機嫌の悪い時には冷たくあしらわれたりと、養育者の一貫性のない対応が原因となるのです。
 
愛情を欲している時に愛情を注いでもらえる時ともらえない時があることで、相手の顔色やご機嫌を伺い、少しでも愛情を獲得しようと頑張ります。
自分が我慢をして相手を喜ばせることで愛情を獲得できる、と学習してしまうのです。
 
養育者の関わり方が精神的に不安定な状態であることが多いため、養育者自身も無意識のうちにストレスから攻撃してしまうこともあります。
過干渉や過保護となり、子どもの健全な自立心を妨げてしまうこともあるでしょう。
 
安心感や愛情を求めてもその要求が受け入れられないことが多く、自分は愛されない存在であると潜在意識に叩き込まれてしまいます。
「どうせ自分は」と諦めてしまいつつも愛されたいと強く願い、人間関係において「自分のことを本当に愛しているのか」「必要としているのか」を確認してしまうようになるのです。
 
褒められたり、ありのままの自分を認めてもらえた経験があまりなく、何をしても否定的な言葉を言われてきたことで自信をどんどん無くしてしまい、相手に合わせるばかりで自分の意見を言えなくなってしまうでしょう。
 
自分のせいで相手を傷つけてしまうのではないか、自分のもとから離れてしまうのではないか、と常に不安な精神状態で育ったため、関わる人に対して異常に執着したり詮索してしまうことも少なくありません。
 
不定期で不安定な愛情が、自信なく愛情を強く求める不安型（とらわれ型）を形成するのです。

 

愛着スタイル不安型（とらわれ型）の恋愛傾向

常に不安

不安型（とらわれ型）の恋愛傾向は、執着心や独占欲が強く、幸せよりも常に不安を感じてしまいます。
相手を失ってしまうことへの不安が極端に強く、愛されたいと思いながらも相手を束縛したり詮索してしまうことで良好な関係を築くことを阻んでしまいがちです。

依存してしまう

パートナーに依存してしまい、相手の愛情が自分にちゃんと向いているのか常に確認しないとさらに不安になってしまいます。
まめに連絡を求め、少しでも連絡が遅いと何度も何度もしつこく連絡してしまうこともあるでしょう。「もしかして嫌われてしまったのでは」と勝手にネガティブに考え、感情的で衝動的な行動に出てしまうこともあります。

嫉妬深い

相手が自分以外の異性と話しているだけで強い嫉妬心を抱き、勝手にネガティブな妄想を抱いてしまい、相手を信頼できず責めてしまうこともあります。
どうせ自分は愛されない、自分と一緒にいるより他の人といる方が幸せなんだと、潜在意識で感じつつもより強い愛情を求めてしまうのです。

尽くしすぎる

自己肯定感が低いため、パートナーから必要とされることで自分が価値ある人間になれると思い込んでしまう節があります。
パートナーに愛され必要とされる人間になろうと、相手に気に入られたい一心で過度に尽くしてしまうこともあるでしょう。自分の意見は主張せず、相手に合わせ言いなりになってしまいます。

ストレスが強い

精神的ストレスを抱えながらの付き合いなので、ストレスフルになるとその感情を爆発させ、相手に対して暴言を吐いてしまうこともあるかもしれません。
パートナーと離れている時は常に不安な気持ちを抱き、一緒にいる時は嫌われないようにと精神的に緊張した状態でいることが多いでしょう。

 

不安型（とらわれ型）と相性の良いタイプ

不安型（とらわれ型）と相性の良いタイプは、安定型（自律型）になります。
 
安定型（自律型）は自己肯定感が高く、共感し受け入れる力を持っているので、パートナーとなった不安型（とらわれ型）のありのままを受け入れ、共感してくれるでしょう。
 
不安型（とらわれ型）は恋愛に対して不安を抱え、思い込みを持っています。嫌われて捨てられてしまうのではないか、本当に自分は愛されているのだろうかと心にネガティブな感情を抱えているのです。
そんな不安型（とらわれ型）に、安定型（自律型）は包み込むようなやさしさと惜しみない愛情を注いでくれます。
 
不安型（とらわれ型）が感情のコントロールができず、暴言を吐いてしまったとしても受け止めるだけの心の器を持ち、真摯に向き合ってくれるでしょう。
一緒に過ごす時間を重ねていくことで少しずつ心を開いていき、安定型（自律型）を信頼して愛情を受け取ることができるようになるのです。
 
不安型（とらわれ型）は上手にコミュニケーションができず、距離感がつかめないこともあるでしょう。安定型（自律型）が一貫した接し方を示すことで見本となり、良い関係性を築けるようになります。
不安型（とらわれ型）は安定型（自律型）と関係を深めることで、自分の抱えている不安を少しずつ手放すことできるのです。
 
ただし、安定型（自律型）にすべてを委ね、自分では何もしないと関係は長続きしないでしょう。
不安型（とらわれ型）が自分自身の不安と寄り添い、愛され大切にされたという経験をしっかりと受け止め、潜在意識を少しずつ書き換えていくことが大切です。
 

 

不安型（とらわれ型）と相性の悪いタイプ

不安型（とらわれ型）は、恋愛において精神的不安を感じやすい傾向にあります。そのため、もともと持っている不安をさらに増やす可能性が高い、回避型（愛着軽視型）が一番相性が良くないと言えるでしょう。
 
回避型（愛着軽視型）は、自分の感情を素直に表現することができず相手と距離を縮めることを避けようとします。心の奥底では愛情を求めていたとしても、それを相手に伝えることを恐れる傾向にあるのです。
 
相手の気持ちを伝えてほしいと思う不安型（とらわれ型）は、一緒にいても自分に対して愛情を感じることができず、どんどん不安を募らせることとなってしまいます。
「やっぱり自分は愛されていない」と妄想が暴走し、そのうち見捨てられてしまうのではないかと思ってしまうでしょう。
 
また、不安型（とらわれ型）は相手と親密になることを願い、近い距離でスキンシップすることで愛情を感じようとします。
回避型（愛着軽視型）は、自分と相手としっかりと境界線を引き、これ以上は入ってきてほしくないと一定の距離を取ろうとするでしょう。
 
さらに、不安型（とらわれ型）が相手に対して執着し束縛してしまうのに対し、回避型（愛着軽視型）は干渉されたくないと感じます。
そのため、不安型（とらわれ型）は必要とされていないと孤独を感じ、寂しさを募らせることとなるでしょう。
 
このように、つながりを求める不安型（とらわれ型）は、不安になればなるほど距離を縮めたいと近づきますが、回避型（愛着軽視型）は壁を作り、さらに避けてしまうこととなります。
一緒にいても気持ちが満たされず、ネガティブな感情が膨らんでしまうでしょう。
 

 

不安型（とらわれ型）が恋愛で失敗しないコツ

不安型（とらわれ型）が恋愛で失敗しないコツは、自分の愛着スタイルを自覚することが大切です。
 
恋愛において不安になりやすいことを知っておき、ネガティブになった時には自分や相手を責めるのではなく「そういう傾向になる特性を持っているのだ」とまずは受け入れましょう。
 
不安を不安なままにせず、どんな状況で不安になるのか、相手のどういう言動に感情的になってしまうのかを自己分析することです。
自分がどうすることで不安に感じるかを上手に伝えることができるよう、コミュニケーション能力を磨くのもいいですね。
 
執着心や束縛したい衝動がわいた時には、すぐに行動に移すのではなく一度冷静になることが大切です。自分の行動を相手がどう思うのか、客観的に考えてみるようにしましょう。
 
不安を抱いてしまう背景に、自分の子どもの頃の経験がどう関わっているかについて深堀してみるのもおすすめです。
一人で思い悩んでいるとどんどんネガティブになり悪循環になりかねないので、自分を理解してくれる第三者に話を聞いてもらうのもいいですよ。
 
ただ、自分のことを相談するということ自体に恐れを感じる人もいるかと思います。家族はもちろん、友人にも話をすることが難しいという人は、カウンセラーや占い師といったプロに相談してみてください。
あなたの悩みや苦しみを否定したり、他言することは決してありませんので、安心して話を聞いてもらえますよ。
 
自己肯定感が低いことで、恋愛で自分の価値を見出そうとしてしまうところがあります。相手に承認してもらおう、愛されようと自分を偽り、心が苦しくなってしまうでしょう。
恋愛以外で自己肯定感を高められるよう、没頭できる趣味を見つけたり、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。
 
同様に、恋愛すると何よりも恋愛が最優先になってしまい、相手との距離感をどんどん縮め、常に相手を感じていたいと思ってしまいます。自分や相手の一人の時間も大切にし、尊重することです。

 

不安型（とらわれ型）との付き合い方や恋愛での注意点

不安型（とらわれ型）は自己肯定感が低いため、相手のちょっとした言動で「自分は嫌われているのではないか」と不安になってしまいがちです。
「伝わっているはず」は不安型（とらわれ型）には通用しないため、言葉だけでなく行動でも分かりやすく愛情を伝えていくようにしましょう。
 
自分の存在を忘れられることが何よりも不安につながるため、連絡はマメにして、会う頻度も不安型（とらわれ型）の満足いく回数にしてあげることです。
心の拠り所を求めているところがあるので、一貫して愛情を注ぎ、安心できる居場所であると感じられるよう接しましょう。
 
不安型（とらわれ型）は感情のコントロールができず、感情を爆発させてしまうことがあります。感情に感情をぶつけてしまうと、心を閉ざしネガティブな妄想をしてしまいがちです。
まずは話を聞き、共感し、受け入れてあげることで、だんだん心を開き信頼関係を築くことができるでしょう。
 
不安型（とらわれ型）は密着さを求めがちですが、ある程度の距離感はお互いのために必要であることを根気強く伝えることです。
離れている時間に不安が募り、嫉妬したり束縛してしまうこともあるでしょう。その行動の裏にある根底的な不安に寄り添いつつも、嫉妬や束縛は関係性を悪化させてしまう行動であることを伝える必要があります。
 
感情的になって怒ったり、不安型（とらわれ型）を否定してしまうと、より不安を煽ることとなってしまうかもしれません。相手の反応を見ながら、優しく諭すように伝えましょう。相手を理解し、忍耐強く伝えることです。

 

まとめ

愛着スタイル不安型（とらわれ型）の特徴や恋愛についてご紹介しました。
自分の愛着スタイルを理解することで、恋愛に対する不安を軽減させ、失敗するリスクを減らすことができます。
ネガティブにとらえず「こういう傾向があるんだ」ということを認識しておくことで、恋愛に対して一歩前に踏み出すことができるでしょう。
 
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