あの伏見稲荷大社越えの圧巻ビジュアル! 赤い鳥居が連なる東京・東伏見稲荷神社

こんにちは! ジブリマニアのライターMAKIJIです。

突然ですが「朱色の鳥居」と言うと、みなさんは何を想像しますか?おそらく「お稲荷さん」を連想する人が多いと思われます。京都の伏見にある伏見稲荷大社は、全国に約3万社あると言われる稲荷神社の総本宮として有名ですね。参道の千本鳥居は日本人のみならず、海外から訪れる観光客にも人気があり、SNS映えする1000本もの鳥居が連なった光景は圧巻です。

実はそんな伏見稲荷大社に勝るとも劣らない圧巻のスポットが、東京都西東京市にあるんです!

それが京都の伏見稲荷大社より東にあることからその名がつけられた、東伏見稲荷神社。

東伏見稲荷神社は、お稲荷さんの御神徳を授かりたいと地元の人々が熱望したことがきっかけで、伏見稲荷大社の協力もあって、1929(昭和4)年に現在の場所に鎮座されました。

最寄り駅となる西武鉄道新宿線の駅名が、東伏見稲荷神社の鎮座にあわせて、上保谷駅から東伏見駅に変わったことからも、地域の人々から熱望されていたことが窺えます。

東伏見稲荷神社のご祭神は、宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)、佐田彦大神(さだひこのおおかみ)、大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)の三柱です。

「宇迦之御魂大神」は別称・保食神、つまり「食物の神様」です。ご利益は五穀豊穣・農業繁栄です。人々の生活を楽しく豊かに守り導く衣食住の大祖神(おおおやがみ)です。

「佐田彦大神」は、「猿田彦神」とされています。ご利益は開運招福です。陸海の道路を守り、通商貿易をコントロールして幸福を担います。すべての人をあらゆることで良い方向へ導く大神です。

「大宮能売大神」は、「巫女さんの祖先神」です。ご利益は「芸能の向上」「接客業の繁栄」です。歌舞音曲・芸能のことをコントロールして幸福を担います。寿命の延長を守り、敬愛する神として、一家の和合(家族の繁栄)、商売繁盛を守護する大神です。

東伏見稲荷神社のご祭神は、五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、諸願成就の神として、全国津々浦々に至るまで、広く信仰されています。

京都の伏見稲荷大社の魅力と言えば、稲荷山全体に連なる赤い鳥居がある参道ではないでしょうか。膨大な数の鳥居は、伏見稲荷大社に参拝した方が願いを叶えてもらったお礼として奉納したもので、霊験あらたかであるとも言えます。

▲お塚案内図

東伏見稲荷神社の裏にも多数の赤い鳥居が連なり、小さなお宮が点在して祀られています。京都の伏見稲荷大社で、お塚やお山と称して本殿奥の山に数多くの神祠(かみのほこら)が祀られている祭祀(さいし)の形に習ったものです。

どうしても叶えたい願いがある! 東伏見稲荷神社でお塚参りする3つのポイントとは?

東伏見稲荷神社の裏にあるお塚は、「あらまつりの宮」とも称されています。本殿の祭祀が「おもて」の祭祀とするならば、「あらまつりの宮」は「うら」の祭祀となります。信仰は表裏が相まって、完全な形態になり、その各々のご利益は、縁結び、学業向上、芸能上達などで、霊験あらたかだとされています。

どうしても叶えたい願いごとがある場合は、本殿の参拝と共に「お塚参り」をお勧めします。本殿の裏に、18カ所の末社があり、丁寧に1カ所ずつ参拝することで、運気が良くなり、願いが叶うと言われています。

※荒祭宮とは、天照大神(あまてらすおおみかみ)の荒御魂(あらみたま=積極的に働く神の御霊)を祀るもの。

東伏見稲荷神社でお塚参りする際には、大切な3つのポイントがあります。

  • 必ず全て(18カ所)の末社をお参りする。
  • 同じお社を2度拝んではいけない。
  • 願いごとを伝える時に1字も間違えてはいけない。

全て同じ願いごとを間違えずに伝えるのは少し大変かもしれませんが、ぜひトライしてみてくださいね。

▲祖霊社(左上)、開照大神(右上)、末広社(下中央)・白狐社(右下)

では本殿を中心として、西側・北側・東側に点在しているお社を、順番に巡っていきましょう。

西入り口から順に、「祖霊社」は神社のために力を尽くした人々が祀られています。「開照大神(さきてるおおかみ)」は歌舞、音曲、芸術の守護神。開照大神って言っても、馴染みが無いかもしれませんが、日本書紀の「岩戸隠れ」の伝説に登場します。天照大神(あまてらすおおみかみ)が、天岩戸に隠れて世界が暗闇になった時に、踊りと歌で岩戸から誘い出した、芸能の女神・天鈿女命(あまのうずめ)です。

西側へ延びた参道にある段差の先に、境内から外へ向くように佇む「末広社」は長寿・愛敬・和合の神様です。さらに西側境内から出た場所にある「白狐社(びゃっこしゃ)」は、お塚案内図を確認してなければ、辿り着けないようなわかりにくい場所にあります。「白狐社」は命婦専女神(みょうぶとめのかみ)として白狐が祀られていますが、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の別名の稲荷大神へ願いを取り次いでもらい、願いを確実に稲荷大神へと届けることができると言われています。神の使い・神の眷族(けんぞく)で、神意を代行して現世と接触する特別な動物として、お祀りする唯一のお社が「白狐社」です。お社の前にいる白狐の、ふっくらと大きく膨らんだ尻尾が可愛らしくて印象的ですね。

▲綾太郎稲荷社

お塚参りの中で一番鮮やかなお社、「綾太郎稲荷社」は、赤く綺麗な塀で囲まれた、盲目の浪曲師「浪花亭 綾太郎」が祀られています。円満・愛敬・芸能の守護神です。

▲八幡大神、愛法稲荷大神、愛徳稲荷大神、十戒徹修

石鳥居が並び、大きな石碑で祀られている「八幡大神、愛法稲荷大神、愛徳稲荷大神、十戒徹修」についての詳細はわかりません。稲荷信仰と並んで、国内で多くの神社数を持つ八幡信仰の主祭神である、八幡大神が祀られていることに注目すべきなのかもしれませんが、勉強不足です。

西側のお塚は、どれも大きく、囲いで仕切られているお社ばかりです。赤い鳥居に導かれながら、北西のエリアに進みます。参道を進むのですが、相変わらず鳥居の向きはバラバラの方向を向いているので、どこにいるのかわからなくなりそうです。

▲保食大神(左上)、佐田彦大神(右上・左下)、白狐社(右下)

写真左上の「保食大神」は食の神様です。「佐田彦大神」は東伏見稲荷神社ご祭神の一柱で、海陸の道路を守る安全の神様。賽銭箱にある説明には、方針決定の守護神として紹介されています。

「佐田彦大神」のお社の横には先ほどお参りしたはずの、「白狐社」を再び目にした時は、キツネにでも騙されているのかと思いましたが、南西角にあったお社と同様に、北西角にも祀られています。なぜ東伏見稲荷神社に2つの「白狐社」が祀られているのかはミステリーですが、お社の形も違うことから、何か意味があるのかもしれないので、失礼が無いように紹介しておきます。

参道は真っすぐではないし、鳥居の向きはバラバラの方向に向いています。先が見通せない分だけ、ドキドキ感がありますね。北側参道を西から東へ移動します。

▲宇迦之御魂大神(上段)、末広社(下段)

東伏見稲荷神社ご祭神の一柱で、本殿の真北に位置する「宇迦之御魂大神」は、鳥居の数からも強い力を持っていることがわかるでしょう。「宇迦之御魂大神」は、衣食住の神様、農業の神様、商工業の神様。「末広社」は、商売繁昌の守護神です。

末広社では、木を守っているかのような狐たちの珍しい光景を目にすることができます。何となく、ジブリアニメの『となりのトトロ』や、『千と千尋の神隠し』の世界感を感じるのは、私だけでしょうか。

特に、『千と千尋の神隠し』のように、何かを暗示しているかのような光景をどう受け止めるかって、結構重要な気が私はします。

▲太郎稲荷社、権太夫社

木を守っているかのような狐たちがいる末広社の隣には、「太郎稲荷社」が、祀られています。どんなご神徳があるのかは定かではありませんが、全国各地に点在する「太郎稲荷社」と同様に、地域・土地にまつわる稲荷神社ではないかと思われます。

ひときわ大きな赤い鳥居が印象的で、お塚参りのなかで唯一、鳥居の扁額が確認できるお社が「権太夫社」です。伏見稲荷大社の御祭神の一柱である「田中大神(たなかのおおかみ」は、別名「権太夫大神」とも呼ばれていて、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)を司る神で、人気運が高まるご利益を授かることができるようです。

縁結び祈願をしたい人にお勧めの東側エリア!

▲三徳社(上段)、要町稲荷社(下段)

北東の角にある「三徳社」は福徳円満・家庭和合・縁結びの神様。「要町稲荷社」は、どんなご神徳があるかは定かではありませんが、全国各地にあり町名がつく「○○稲荷社」と同様に、地域・土地にまつわる稲荷神社ではないかと思われます。

東側のエリアは、特定の相手がいて結婚というゴールを目指す女性が、「縁結び」の願いを込めるエリアになっています。

▲金鷹社

お塚参りの東端にある「金鷹社」は、縁結びや長寿の守護神として信仰が篤い神様です。ぜひ、拝殿の参拝と共に「縁結び」のお塚参りをお勧めします。

一度観たら忘れられないほど印象に残る! 日本文化の残したい風景

決して広いとは言えない境内に所狭しと並ぶ赤い鳥居。私は結局100基まで数えたところで途方に暮れ、数えるのを諦めてしまいました。お塚参りの東エリアは、「縁結び」のお社があり、境内の中でいちばん赤い鳥居が集中しているスポットでもあります。

行く手を阻むかのように連なる赤い鳥居は、キツネにからかわれているようにさえ思えてきます。

東伏見稲荷神社の鳥居は伏見稲荷大社の千本鳥居に規模では敵わないものの、雑然と赤い鳥居が連なる風景は、ある意味一度観たら忘れられない圧巻のビジュアル。インパクトがあり、写真映えするスポットだと思います。

知る人ぞ知る東伏見稲荷神社の「お塚参り」とは?

ココまで17カ所の末社を西から東へ巡ってきましたが、まだ終わりではありません。

▲お塚案内図

参道の工事中で取り外されていた「お塚案内図」に記載されていましたが、本殿真裏の「稲荷社」にお参りしましょう。

拝殿および本殿を結ぶ中心線の北側に、「稲荷社」が祀られています。本殿に向かい合うようにして石祠があります。本殿の中心線から外れているうえに東を向いていますが、理由は定かではありません。

「稲荷社」を参拝すると、「お塚案内図」に表示されていた18カ所の末社をすべて巡ってきたことになります。これで終わりではないことを知る人は、おそらく東伏見稲荷神社通でしょう。

知られざる東伏見稲荷神社のお塚参りのキモとは?

東伏見稲荷神社は、100基以上の赤い鳥居が雑然と並んでいることから、「願いが雑に扱われるのではないか?」「ちゃんとご利益を授かることができるのか?」と少々心配になってしまう人もいるかもしれません。

京都の伏見稲荷大社にある千本鳥居などに代表されるように、「鳥居を通る」ことは、「願いを通す(通る)」ことにつながっていると言われます。数では敵わないものの、東伏見稲荷神社の境内裏手にある「お塚めぐり」で、鳥居をたくさんくぐればくぐるほど「願いが叶う」と言われています。

そこでしっかりパワーを授かれるよう、ここでは「お塚案内図」にも紹介されていない、お塚参りのキモになるスポットを紹介しましょう。

「稲荷社」を最後に、お塚参り18カ所を全て巡り終わったら、北西角「白狐社」の裏手にある、旧祠(ふるいやしろの)納め処」へ進みます。

伏見稲荷大社を始めとして、東伏見稲荷神社でも、たくさんの狐が鎮座していますよね。「稲穂・鍵・玉・巻物」を口にくわえた狐や、何もくわえていない狐などもいますが、それぞれに意味があります。

こちらでは「水晶と鍵を用意」して、旧祠納め処に置いてお祈りしましょう。実は鍵は神様から徳を受けられると言われ、水晶は願いごとを叶えてくれると言われ、どちらもパワーを授かることができる知られざるアイテムなのです。

実際に用意する鍵は、「家の鍵や倉庫の鍵」でも良いとされています。たっぷりとパワーを授かりたい方はぜひチャレンジしてみてください。

東伏見稲荷神社で願いを叶えるルーティーンとは?

東伏見稲荷神社のお塚参りで心配になるのは、18カ所+1カ所で願いごとを間違えないことでしょうか。間違えてしまうと、拝殿の参拝からやり直さないかぎり、願いごとが叶わないと言われています。落ち着いてお参りすることが、まさに成就の鍵になるみたいですね。

「お稲荷さん」と言えば、商売繁盛のご利益で有名な日本の神ですが、お稲荷さんほど別名の多い神は他に類がありません。
丁寧に言えば稲荷大神(いなりおおかみ)ですが、その正体は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)や、同一神とされる豊受大神(とようけのおおかみ)、保食神(うけもちのかみ)、荼枳尼天(だきにてん)などと呼ばれています。『古事記』や『日本書紀』の影響もあり、世界で最も名前のバリエーションが多い神として知られるのが、「お稲荷さん」です。

八百万の神の信仰および、神を取り巻く神の使いである眷属の概念など、日本人の精神世界を反映したものなのかもしれません。神という存在は1つでも、生活に密着した土地ごとの信仰と結びついて、「○○稲荷」と呼び名を変えることも多いので、全てをご紹介することは不可能なほど存在します。

私は神社に訪れるたびに、境内を巡りながら「願いを叶えるルーティーン」を行っています。東伏見稲荷神社の境内には、ハートマークが点在していることでも知られていますので、「隠れハート」探しをしながら、神聖な境内でエネルギーをチャージしてみてはいかがでしょうか。

東伏見稲荷神社

住所:東京都西東京市東伏見1-5-38
電話番号:042-461-1125
開門6時30分、閉門17時
授与受付時間:朝8時ごろより閉門17時
http://www.higashifushimi-inari.jp/
<最寄駅>
西武鉄道新宿線「西武柳沢駅」「東伏見駅」下車、徒歩7分ほど。
西武鉄道池袋線「保谷駅」から、関東バス「鷹21」「吉63」系統の「東伏見稲荷神社」下車すぐ。
駐車場(無料):大鳥居の右側にあります。
<マップ>
https://goo.gl/maps/o3UFbsLrxpG2

 

MAKIJI(石塚貞幸):プロフィール

マニアックな旅行ライター。ジブリアニメが好きすぎて、トトロの森のある街で「観光コンシェルジュ」として活動中。見逃しがちでマニアックなスポットや、都市伝説のある場所を彷徨い、妄想しながら「ひとりっぷ」している。特技……、見知らぬ土地でも知らない人から気軽に声をかけられることかな。